Sauce de fraises à la menthe
シーズン最後のいちごと、フランスの記憶
真っ赤で、ツヤツヤで、甘くて、ジューシーないちご。バタバタ過ごしているうちに、今年もあっという間にシーズンが終わってしまいました。でも実は、この辺り(東京都八王子市)は夏が近づくこの時期でもギリギリ間に合います。もちろん美しい外観の生食用はもう店頭から姿を消していますが、加工用ならまだ手に入るのです。私も週末、滑り込みで「とちおとめ」を6パック買ってきました。小粒で不揃いだけど、しっかりと甘みがあって、香りも華やか。
そんないちごを前にしてフランスでの暮らしを思い出した【ふらかつ】は、フランス人に倣って何年かぶりに「いちごソース」を仕込むことにしました。
フランス人の季節の手しごと
フランス人は、日本人の私にしたら本当にたくさんジャムを消費します。老男女問わず。
毎日の朝食の定番は、バゲットなど薄切りにしたパンに、無塩バターを分厚く塗り、甘いフルーツのジャムをたっぷりのせて食べるタルティーヌ。言わば、オープンサンドです。特にラズベリーやあんずのジャムが人気。
スーパーには、日本でもギンガムチェックの蓋でおなじみの「Bonne Maman(ボンヌ・ママン)」シリーズをはじめ、マロンクリームやニュテラなど、数々のジャム類の瓶が並んでいます。ラベルや瓶がこれまた可愛いので、フランスのお土産によく選ばれますね。
一方で、季節の加工品作りが得意な人も多く、だいたいどの家庭でも、
きれいに洗った空き瓶をたく必ず保管しています。春から夏にかけて、今こそがその瓶たちの出番。
【ふらかつ】が過ごしたフランスの田舎町では、マルシェで出会う果物が季節のリズムを教えてくれました。いちごの季節は日本と全く同じです。春の終わり、完熟のいちごをかご一杯に買っていくマダムたちの姿がありました。
私の場合、自然派ワインの造り手と生活していましたが、ワイン用のブドウに限らず、あんずなどの果物や様々な野菜を”自然”栽培している人の出入りが激しく、兼業農家が多かったです。
その中に、食用の羊を育てながら赤い果実を栽培している友人が居て、季節には無農薬のいちごをケース単位で届けてくれました。【ふらかつ】は、そのナチュラルな甘酸っぱさが忘れられません。ジャムを煮たり、ソースを作ったりして、朝食や週末の食卓に添えていました。
ジャムより気軽、フランス風いちごソース
さて、今回ご紹介するのは、そうしたフランス人の感覚を日本の暮らしに落とし込んだ、いちごソースのレシピです。コツは「フレッシュな香りを残す」ことと「果肉を煮すぎない」こと。「フレッシュなミント」「白ワイン」で、フランスらしさを出します。
ジャムではなく、ソースというのが味噌で、保存よりも風味を重視します。ジャムよりもずっと気軽にさっと作れて、砂糖も控えめ。何より、瓶の煮沸や真空瓶詰めなど、手間のかかる作業が要らないんです。いいことづくめ。ぐつぐつ煮詰めるのではなく、いちごの香りと姿をしっかり残す──そんな、フランスのデザートソースのような仕上がりを目指します。気取らず、でもどこか上品で、季節の余韻をぎゅっと閉じ込めます。
逆に、糖度が低いので日持ちがしません。だから、いちごが安い時にまとめて作って、ジプロックで小分けに冷凍しておき、使いたい分だけ解凍するといった具合です。【ふらかつ】は、夏まで何とか残しておき、シロップのようにかき氷にかけるのも好きでした。そのソースの作り方をご紹介します。
手作りいちごソースの材料と作り方
材料(目安量):
■ とちおとめ 500g(2パック)
■ グラニュー糖(上白糖でもOK) 200g
■ フレッシュ・ミント 2〜3枝
■ 白ワイン 大さじ1〜2
作り方:
① 洗ってヘタを取ったいちごに、砂糖をまぶし、ミントをのせて冷蔵庫で一晩おきます。ミントの香りがほんのり移り、爽やかな風味が加わります。
② 翌日、いちご色の甘い汁の中に果肉が浸っている状態になっています。。鍋に移し、フレッシュなミントを足し、白ワインを加えて強火にかけます。途中アクを取らず、一気に短期決戦。煮崩れすぎないよう、加熱時間はたったの10分ですあとは火を止めて予熱でなじませます。ほとんど余熱で仕上げる程度です。
③ 粗熱が取れたら容器に移し冷蔵庫へ。冷やすととろみが出て、ちょうどよいソース状になります。
食べ方は自由ですが、私のお気に入りは「フロマージュ・ブラン風水切りヨーグルト」との組み合わせ。コーヒーフィルターや晒し布で一晩水を切ったヨーグルトは、ちょっとした手間でフロマージュ・ブランのような風味と食感になります。そこにこのソースをかければ、気軽に楽しめるフランス流デザートの完成です。
他にも、プレーンなクレープやゴーフル(フランスのワッフル)に添えたり、ブラン・マンジェやアイスクリームにひとさじかけたり──ほんの少し加えてミントの葉を飾るだけで、立派なデザートに。まるで、いつもの食卓にフランスの風が吹いたかのよう。
もちろん、この時、デザートにもワインを忘れずに。フランスでは、前菜、メイン、チーズ、そしてデザートまで、ワインで通すことも珍しくありません。今回のような果実感のあるデザートには、白ワインがおすすめなのですが、一度合わせてみてほしいワインがあります。
それは、フランス・サヴォワ地方の「ビュジェ・セルドン」というロゼの甘口のスパークリングワインです。中でも、自然派の生産者のものを強くおすすめします。とってもチャーミングなワインで、甘酸っぱい、いちごのデザートにピッタリ。後日、別の記事で紹介しますね。
まとめ
ワインの余韻とともに、季節のいちごが締めくくる夕食──そんな週末のひとときが日常を豊かにしてくれる。フランス人の食卓から教わったこと。【ふらかつ】はこんな素敵なことを皆さまとぜひ分かち合いたい!このワインをショップやレストランで見つけた時はぜひお試しください。
からです。


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