日本の不動産事情──耐震・免震技術の誇り
日本は地震大国として知られており、住宅の耐震基準や免震・制震技術は、世界の中でもトップレベルを誇ります。
新築物件はもちろん、リフォームや中古住宅においても、耐震性能は非常に重要視され、厳しい基準が設けられています。
「安心して住める家づくり」は、もはや日本人にとって当然の感覚となっているかもしれません。
しかし──
世界に目を向けると、私たちの”当たり前”とはまた異なる価値観が存在していました。
衝撃を受けた体験──友人宅の設計にて
この”世界の常識”を知るきっかけとなったのは、友人宅の間取りや設計に携わったときのことでした。
設計プランを説明されている中で、
「ここはシェルタールームになるから」と、さらりと一言。
何気ない口調でしたが、私の心は大きく揺さぶられました。
──え、ちょっと待ってください。
それ、そんなに”当たり前”に言うことなんですか?
日本に暮らしていると、
シェルターを家に作るという発想自体、なかなか浮かびません。
戦争やテロ、自然災害に対する備えが、
国や地域によって、こんなにも違うものなのだと、
その瞬間、肌で実感したのです。
世界の住宅事情──シェルターが義務化されている国々
例えば、スイス、イスラエル、シンガポールなどでは、個人宅にも**シェルター(防護室)**の設置が義務付けられています。
スイス
スイスでは、冷戦時代から「国民全員が避難できるだけのシェルターを確保する」という方針が続いています。
新築住宅には原則、核シェルターを備えることが法律で義務付けられているのです。
イスラエル
イスラエルでは、1990年代以降、新しく建てる住宅には**ミクラー(防護室)**の設置が必須となっています。
この部屋は、爆風や化学兵器から身を守るため、特別な仕様(厚い壁・独自の換気システム)が求められています。
シンガポール
シンガポールでも「戸建て住宅やマンションに防空壕(シェルター)を設けること」が義務とされており、
政府のガイドラインに基づいて設計されています。
まとめ──「安心」とは国によって違う
日本では「地震に強い家」が当たり前。
一方、スイスやイスラエルでは「非常時に備えたシェルターがある家」が当たり前。
何をリスクと捉え、どう備えるか──
それは、国の歴史、地理、文化、社会背景によって大きく異なります。
そしてそれを知ることで、
自分たちの”当たり前”が、決して世界共通ではないことに気づかされるのです。
これから不動産を考えるうえでも、
「世界の価値観に触れる」という視点を持っておくことは、きっと大きな財産になるでしょう。



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