私が実践してきた食養生を紹介していきます。まずは薬膳!
薬膳とは?
薬膳(やくぜん)は、「中医学(中国の伝統医学)」をもとに、食べ物の力で体のバランスを整え、病気を予防・改善する食事法です。
薬膳という言葉には「薬」とありますが、基本はふだんの食材(野菜、肉、魚、穀物、スパイスなど)を使います。
特別な漢方薬が必要なわけではありません。
薬膳の目的
- 病気を治すより、病気にならない体をつくること(=未病の予防)
- 自然や季節の変化、年齢、体質に合わせて食事を調整すること
薬膳は、「今の自分の状態に合う食べ方をすること」がとても大事なんです。
薬膳の土台になる考え方
① 陰陽(いんよう)
- 陰=冷やす・静か・水分が多い
- 陽=あたためる・活発・熱をもつ
→ 冷えすぎても熱すぎてもダメ。陰と陽のバランスをとることが大切。
たとえば:
- 夏に体が熱い → トマトやスイカなど「陰(冷やす)」食材
- 冬に冷える → 生姜やネギなど「陽(あたためる)」食材
② 五行(ごぎょう)
自然界と体のつながりを5つの要素に分けて考えます:
| 五行 | 対応する臓腑 | 感情 | 色 | 食材の例 |
|---|---|---|---|---|
| 木 | 肝(かん) | 怒り | 青・緑 | セロリ、春菊、香草 |
| 火 | 心(しん) | 喜び | 赤 | トマト、鶏肉、苦瓜 |
| 土 | 脾(ひ) | 思い | 黄 | かぼちゃ、米、豆類 |
| 金 | 肺(はい) | 悲しみ | 白 | 大根、白ごま、はちみつ |
| 水 | 腎(じん) | 恐れ | 黒 | 黒豆、きくらげ、海藻 |
→ 今の不調が「肝の乱れ」なら、木の食材をとって整える…というふうに使います。 五行は奥が深いので難しい!
③ 食材にも性格がある!
薬膳では、食材一つひとつに「性質(五性)」があります:
- 熱性:体を強くあたためる(シナモン、羊肉など)
- 温性:やさしくあたためる(生姜、にんにく、ネギ)
- 平性:どちらでもなく中庸(米、にんじんなど)
- 涼性:体の余分な熱をとる(トマト、ほうれん草など)
- 寒性:強く冷やす(スイカ、緑茶など)
体が冷えてるのに「寒性」の食べ物ばかり食べると、バランスが崩れます。
逆に、熱がこもっているときは、冷やす食材が必要です。
はじめての薬膳の取り入れ方
- 自分の体質や今の不調を知る(冷えやすい?疲れやすい?など)
- 季節の食材を意識する(旬のものは自然とその季節に合っている)
- あたためる or 冷やす 食材をバランスよく使う
- 「気・血・水」を整える食材を取り入れる
気・血・水ってなに?
中医学では、体の中を流れる「3つのエネルギー」が健康の鍵です:
| 概念 | 役割 | 不足すると? | 補う食材の例 |
|---|---|---|---|
| 気(き) | 生命のエネルギー | 疲れやすい、風邪ひきやすい | 米、山芋、かぼちゃ、豆類 |
| 血(けつ) | 血液と栄養 | 顔色が悪い、眠りが浅い | 黒豆、プルーン、ほうれん草 |
| 水(すい) | 体の水分 | 乾燥、むくみ、のどの渇き | 冬瓜、きゅうり、梨、豆腐 |
薬膳は「知恵の料理」
薬膳は、食べ物で薬のような効果を得ようとする知恵です。
ただし、「体に良い食材」も、体質に合わなければ負担になることもあります。
だからこそ「自分に合うものを知る」「食べて心地よいか」を大切にします。
薬膳はなじみのない食材を使うことではなく、自分の体質にあったものを食べて未病を防ぐのです。

