こどもっぽく感じるのはどうして?

日本語

言葉のチョイス

話し相手が誰なのかによって、人は、同じ言葉でもどちらを使うか、無意識に使い分けている。

いい年をした大人は「朝ごはん」「昼ごはん」ってあまり言わない。

「朝、食べてない」とか「お昼早めに食べた」…って言うよね。もしくは「朝食抜きだよ」とか、男性なら「ひるめし」って言ったり。

最初に覚える言い方。

でも「朝食」「昼食」これって、音読みなので、漢語っていう分類になるから、日本語を勉強し始めたばかりの人には教えない言葉なんです。

日本語が全くわからないです、っていう人には最初に「あさごはん」「ひるごはん」「よるごはん(ばんごはん)」という、訓読みの、和語っていう言葉を覚えてもらう。

すると、どうなるか。

「今日、朝ごはんは食べましたか」という問いに、

いい年齢のおとなだけど、

「はい、もう、朝ごはんは食べました」「コーヒー、おいしいです」となる。

いや、日本語としては正しい。でも、この調子の会話が続くと、どう感じるかと言うと…

大人と話をしている、という風には思えなくなる。何となく小中学生と話しているような、そういう感じ。

あれ?どうしてかな?

こうして会話が成立するようになったし、おかしなことは言ってない。正しい日本語なのに、どうして子供と話しているような感じになってしまうんだろう…?

和語・漢語

和語とは…主に訓読みをする漢字を使う言葉。日本で古くから使われている言葉。これが和語です。

たとえば「ひとつ、ふたつ」「ごはん」「のみもの」「読む」「寝る」など。

漢語とは…主に音読みをする漢字を使う言葉。中国から伝わった言葉が多い。これが漢語。

例えば「一、二」「食事」「飲料」「読書」「就寝」など。熟語、と言い換えても良いかも。

これをふまえると……

「はい、もう朝ごはんは食べました」

「はい、もう食事は済ませました」

どちらが、おとなとしてよりふさわしい話し方?

なんとなく後者ではないかと…前者も間違いではないですが。

しかし、ここで使っている「食事」も「済ませる」も、ある程度学習が進んでからでないと、教えない言葉。勉強を始めたばかりだとまだ意味がわからない言葉。

子供や年少者と話していて幼いな、かわいいなと感じるのと、学習が始まったばかりの外国人と話していて「幼いな、かわいいな」と感じるのは同じ心理からだったんだーーーー。

でも、母語をそのまま翻訳アプリに突っ込んでもらうと、驚くほど大人の理論や考え方をしていてたまに驚くけど、大人なんだから当たり前なのよね。

儚い一瞬?

そうやって、大人だけど子供っぽいなあ…って感じる話し方をしているのは、多分一瞬。

そのうち、沢山の言葉を覚えれば、しぜんと、こういう場面ではこの言い方のほうがいい、っていうものを身に着けていく。なんか、そう考えると不思議なような。たくさんの言葉を覚えるうちには、Fワードも一緒に覚えてしまうんだろうけど、でも大人なんだし色々な言葉を覚えてほしいなあ。

言葉をたくさん知っていれば、誤解も生まれにくいし、自分の考えや気持ちを相手に正確に伝えられるから。

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