「ピル」って聞いて、何を思い浮かべる?

日本語

何をどこまで教えるか。

今、私は縁あって期間限定でとある国の人達に、日本語を教えています。

20代~40代、としごろ…と言うには少しとうのたった年齢の人もいますが、としごろと呼んでいいような年齢の男の子、男性です。

ひらがな、かたかなを、表を見ながらでないと言えない…というところからのスタート。

いっぽうの私も、日本語しか話せない・読めない・書けない人間なので、最初の一か月は本当に意思疎通が難しく、私の言う日本語が、初めて聞く言葉なんだと思うと気が抜けず、緊張の連続でした。

それでも、少しずつ言葉を覚え…

最近は、色々な人と接するなかで少しずつ覚えて、会話だけで意思疎通は難しい部分もあるけど、翻訳アプリを使ったり、身振り手振り、色々交えて最低限の話はできるかな?というところでしょうか。

期間限定なので、複雑な文法より、とにかくたくさんの単語を覚える方がいいのでは?そして、まずは自分の気持ちや感情を言えた方がいいのでは?と思い、さいしょは、「たのしい」「つらい」「いたい」「不安」「嬉しい」などの単語を沢山並べ、読んでもらっていました。

もう少し、生活に必要な言葉を。

新しい単語は常に接するようにし、もう少し普段の生活で知っていたほうがいい言葉って何かな?って思ったとき、ある人が、ノートに、ローマ字で「konagusuri,nankoo,shokuzen,shokugo………」と、薬に関する言葉をメモしていたのを見て、衛生に関する言葉や、健康に関する言葉を知っていた方がいいんじゃないか?と思いました。

そこで、これら衛生に関する言葉、健康や体の症状に関する言葉を用意しました。

英語では、粒の薬、錠剤のことを「pill」と呼ぶんですね。一度はそのまま何も考えずに提示しました。しかし帰宅後、日本ではピルとだけ聞くと、妊娠を避けるための薬を指すことがほとんどだなと思い至りました。

としごろの、外国籍の男の子(男の人)が、その言葉を単なる「錠剤の薬」という意味で言っていたとしても、日本人はそうは思わない、女性にだらしない人、という誤解を受ける可能性もあるんじゃないか?

さあ、どうする?

そのような誤解を、仮に受けたとして、別に私は何も関係ないのです。ただ、気が付いてしまったし、でも内容が内容なので、教えたほうがいいのかどうか?

未成年なら少々問題があるかもしれませんが、既婚者もかなりいるので、そのあたりのことは知っているだろう、誤解されるよりは事前に知っておいてそれを本人が知識として落とし込むかどうか、それも含めてのおとなであろうと考え、教えておくことにしました。

説明としては、

日本で「ピル」と言うと、経口避妊薬を指します。ですから、日本語では錠剤と言いましょう。相手に誤解を生じさせないようにしましょう。

と(英語で)伝えました。

どんな反応かな?これは相手との信頼関係、関係性が出ると思いました。みんな、微妙ににやにやしつつも、そうなのかあ、日本語だとそういう意味なのか~、ほほおお…というような表情をしていたので、多分教えてよかったんじゃないかな、と思います。

正解はひとつじゃない。

これに限らず、相手がどういう年齢・性別・カテゴリーの人が多いのかによって、教えた方が良い言葉や言い方は変わると思います。場合によっては教えない方がいいこともあるでしょう。

今回は、既に日本人と一緒に働いている人達であること、こういったデリケートな話題で要らぬ誤解を日本人に与えかねないと思い、説明しました。

しかし、相手とある程度信頼が築かれていないと、一歩間違えると勉強でなく、単なる下世話な話ということにもなりかねず、そのあたりは慎重にやらなければいけないかな…と感じました。今回は多分大丈夫…な筈……。

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