言葉に苦労する小学生(ノД`)・゜・。

ボランティア

 

夏休みの恒例…?

こんばんは、紗葉です。

今回は、夏休みの恒例になりつつある(本当はなってほしくない)、「宿題を抱えて日本語教室にやってくる子供達」について書きたいと思います。

私が接した子供たちは本当にごく一部です。でも、今回は「こんな子供たちが全国にたくさんいるんだよ」ということを知ってほしくて投稿します。

長い夏休み。先生が宿題を出すのは当然と言えば当然。一か月以上学校が休みなのだから、ドリルやプリント、あれこれやって、苦手なところは復習してね、というのは学校としては正しいでしょう。ただし、それは日本に生まれて日本語の読み書きがある程度まんぞくにできる子供の場合は、です。

夏休みの日本語教室には、「つい数か月前に日本に来たばかりです」「日本語は、やっとひらがなとカタカナが書けるように、読めるようになりました」「通常の会話はあまりまだわかりません」という小学生・中学生が来ます。それも、宿題を抱えて……。

問題の意味がわからない…。

色々な国の子供たちが来ますが、私が接したのは去年も今年もネパール国籍の子供達でした。

去年の例からお話しましょう。

去年の夏休みに来たのは、小学校6年生の女の子でした。日本に来たのは、つい3,4か月前。それでも、ひらがなかたかなはほぼ読めるようになり、会話も、簡単なものなら通じるようになっていたので、彼女なりに相当努力したのでしょう。

ただ、夏休みの宿題として出されたものは、来日間もない彼女に配慮したものではなく、ほかの児童と全く同じプリントやドリルでした。小学校6年生は、あと半年したら、中学校へ進学します。だから、出されている問題は、それなりに難しい物も多いんですよね。

国語の問題では、はじめに少し長めの物語を読み、そのあとに、作者が言おうとしていることや、そこに描かれているものは何か?という答えを書く、また、その文章に出てくる新しい漢字の読み方や書き方を覚える、といったもの。日本に生まれて、ずっと日本社会の中で暮らしていれば知っているであろう言葉でも、数か月前に来日したばかりの子供にはわからない言葉も本当にたくさんあります。

振り仮名が振ってあれば、読めるかな?と思いましたが…「浴衣」。。。。。

これね、ネパール国籍の子供にいきなりわかるわけないですよね。こんな単語ばかり並んでいて、説明するのも難しく、とりあえずできそうなページをやりましょう、と言いました。そして、「わからないところは、先生に「わかりませんでした、だからできませんでした」と言ってください」←これでいいのかな?とも思いますが、週2回の日本語教室では、最初から最後までのページを全部見てあげることは不可能…(◎_◎;)算数の問題も、6年生になるとかなり複雑になってきて、その女の子は算数は少し苦手なようで、計算問題に書いてある品物やことがらを、簡単なイラストにして説明して、やっと少しだけわかったようでした。

ネパールでは、学校教育は全て英語で行われることが多いので、場合によっては最初のうちは、英語で書かれた教科書を用意して、授業を受けてもらうというのも良いのではないかな~?と感じました。(フィリピンでも、学校の授業が全て英語ですので、この2か国に関しては、日本語がわからない=勉強がわからない・つまらない、にさせないために、一時的に英語で書いてある教科書を用意すれば、学校へ行くのが嫌だ、という風にならないのかなと思います)

漢字に四苦八苦。

今年の夏休みの例です。

去年の例と同じく、小学校6年生の女の子が来ました。去年と同様、なんら配慮のない、ほかの児童生徒と全く同じ「なつやすみのとも」を持参してきました。中国語圏の人なら、多少意味などが違っていても、「漢字」という文字自体は慣れています。また、ベトナムや韓国も、日常では漢字を殆ど使わなくなっていますが、名前など、時々漢字を見かけるような国です。そういった国から来た子供なら、漢字を書いたり読んだりすることにそこまで抵抗はないと思います。

これまで一度も漢字を習ったことがなく、やっと簡単な漢字が読めるようになった…これだけでもかなり頑張らないと難しい筈。そこへやってくる夏休み。わからなくても先生に聞けない。宿題だけはたっぷり。でもそこに書いてある日本語は、ほぼ読めない。

今年一度だけ見てあげた子は、漢字のページだけ、とりあえず書いてもらいました。算数とかほかの科目もありましたが、そこまでやる時間はなさそうです。漢字には、偏とつくりがある。とか、漢字は一つの文字でも色々な読み方がある。こういったところが既にもう難しい、って思ってしまってるようでした。そりゃそうだよね。日本に興味があって日本に来たくて来たわけじゃなく、親の都合だから。

漢字のページも、「これ、ほかのページではこういう読み方だったから、次の答えもきっとこの読み方だよね」と思ってその子は書いているのですが、音読みとか訓読みとか……説明する時間もないので、「その読み方も間違いじゃないけど、この漢字の組み合わせの時は、この読み方にしてください」ってほぼ答えを教えて、そのまま書いてもらいました。

日本を好きになってほしいなあ。と切実に思います。

日本で暮らす外国人は相当数にのぼっています。その中には、労働者だけではなく、これからの未来を一緒に作っていく子供たちも大勢いるのです。「あのとき、日本の学校の先生や、日本語教室の人たちが色々な事を教えてくれた、だから日本が好きになった」と言ってもらえるようにしたいな~、と思いながら、子供の学習者には接しています。

大人はね、なんだかんだで、自分で「日本へ行く」という選択をしていると思うんですね。たとえ配偶者の都合で来たとしても、「自分ひとりで母国に残る」という選択もできる。また、留学生や技能実習生は、自ら日本を選んでやってきたわけですから、多少なりとも日本に好意的な感情を抱いてやってくるわけです。

でも、子供は、親が「日本で仕事があるから日本に行く」と決めたら、一緒に行くしかない。学校でできること、日本語教室でできること、限られているけど、「ここに来ると誰かが色んなこと教えてくれる」「ここに来ると誰かが自分の話とか、気持ちを受け止めてくれる」って思ってもらえるような場になると嬉しいなあと思っています。

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