ティーンエイジャー

ボランティア

ティーンエイジャー。その、なんとも言えない響き。私は「ティーンエイジャー」と聞くと、とっさに井上陽水の同タイトルの歌を思い出すのですが、皆さんは如何でしょうか。

さて、今回は、私が少しだけかかわったティーンエイジャーの子達のエピソードを綴ってみたいと思います。

アジアの男の子 その1

彼は日本に来てまだ日が浅い。持参したノートに一生懸命色々書き込んでいる。私ははじめに、「はじめまして、新以実紗葉です。」と挨拶をして、名札を見せた。すると彼は、そのまま、私の名前をノートの上のほうに書いた。

一般的に、日本人の場合、教えてもらう人の名前を呼び捨てにはしない。しかし彼はまだその慣習を知らないのだろう、そのまま書いていた。訂正した方がいいか、それとも………と逡巡したのだが、何となく訂正するタイミングを逃してしまい、そのままになってしまった。はたしてこれでよかったのだろうか。

アジアの男の子 その2

彼は日本に来て1年くらい経つが、日本語を「熱心に」は勉強していない。親の都合で、日本に無理やりれてこられた感じなので、日本語はもとより、日本にもあまり関心を持てずにいた。しかし、この日本語教室に来るようになって、色々な人と会話する中で、少しずつ心をひらいてくれた、そんな感じの子。その彼が、ある時私と話していて、非常に大人びた事を言っていたのが印象的だった。

「先生、夫婦っていうのは、お互いにcareしあうものでしょう?それがないのは、夫婦じゃないと思う」。ああ、この子は、日本語ではうまく話せないだけで、おそらく母語ではしっかり抽象的なことや哲学的なことを考えられる非常に頭のいい子なんだな。と思った。

何とか日本語をもう少し勉強して、進学できると良いと思う。

アジアの女の子

中学校に通うべき年齢だったけど、通っていない子がいた。この子も、親の都合で日本に来た子で、はじめは本当に簡単な日本語も通じなかった。

とてもスタイルが良くておしゃれで、少し恥ずかしがり屋だけど礼儀正しい、すごく良い子。真面目に毎回通って、だいぶ漢字とかも覚えて、日本語も話せるようになった。このまま、何とか高校へ入れるといいなあ、なんて思っていたら、夏が終わるころ、突然来なくなってしまった。

あれ?どうしたの?と別のメンバーに聞いてみると…「彼女、親が東京で仕事するから、って、引っ越していっちゃったんだよ。だから、もうここには来ないと思うよ。」

折角この場所になじんできたところだったのにね。親の引っ越しは、未成年にとっては不可抗力でどうにもならない。新しい場所でも、こういう日本語教室はあるのだろうか、などと、ぼんやり思った。

日本語ボランティアをしていると、本当に色々な人と出会う。今回は、10代の子について書いたが、今後また別のテーマでも書きたいなと思っている。

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