”トイレに行く”ということは日常的なことですが、動けなくなってしまった時にはそうはいきません。
トイレシートやオムツを活用することも考えられます。
とはいえ、介護される側にとって「トイレで排泄をする」ということは人間的尊厳を保つうえで非常にデリケートな問題です。
そこで今回は、ベッドサイドに置いて少しでも自力でできるポータブルトイレについて紹介します。
トイレはできる限り自分でしてもらうこと
介護における考え方としても「できることは自分でする」が基本と言われていますよね。
トイレも例外ではなく、なるべく自分でしてもらうことが大切です。
とはいえ介護される人の状況によってはどの程度の環境を整える必要があるのか必要な準備は異なります。
ポータブルトイレの活用
寝室からの移動が困難な場合でもポータブルトイレを利用すれば居室内でも”トイレで排泄する”という行為ができます。
ポータブルトイレは移動の手間が省けるため、介護する側の負担が軽減できるほか、介護される側も尊厳を保てます。
ポータブルトイレは特定福祉用具購入費の支給対象になり、購入時に介護保険を利用することも可能です。
以下のような場合にはポータブルトイレの設置が望ましいでしょう。
- 排泄のタイミングが自身で判断できる
- 短い距離なら自力で移動できる
- 自分で下着を着脱できる
- 排泄時に座った状態を保持できる場合
気になる臭いは・・・
室内に余裕があれば、衝立やパーテーションなどで仕切ることで臭いを軽減できるほか、パーソナルな空間を作れます。
そのほか専用の消臭剤あるいは芳香剤を置いたり、こまめに換気をすることも有効。
ポータブルトイレの種類
ポータブルトイレは種類によって機能が様々。
座面の高さを調節や肘掛け、便座が柔らかいものもありますし、暖房・脱臭などの機能があったり水洗式タイプもあります。
では、具体的にどんなものがあるかというと・・・
●標準型（プラスチック製）
比較的リーズナブルで場所を取らない。軽量で移動しやすいほか掃除も楽。
●木製イス型
安定性が高いため、立ったり座ったりが苦手な人でも利用可能。蓋をすれば見た目がイスと変わらないものもある。
●金属製コモード型
安定感があるほか、軽量のため持ち運びに便利。座面の高さ調整やアーム部分が動くので平行移動がしやすい。
●スチール型ベッドサイド横置き型
座面調節ができるほか、移譲ベッドからの移動がしやすいのが特徴。設置する時はベッドのマットレスと高さを合わせる。
購入するには・・・・
福祉用品を扱うお店のほか、インターネットでも購入できます。
特定福祉用具となるため、要介護認定を受けている方なら介護保険が適用されますが、特定福祉用具販売事業所から購入した場合に限ります。
対象となるトイレは厚生労働省によって定められているので一度確認してみてください。
まとめ
高齢者にとってトイレに移動するのは、私たちにとってのそれとは考えられないほど大変な作業です。
夜中や早朝などに眠気眼で移動する際に転倒しないよう床にマットを敷いたり、明るさを調整することも忘れないようにしてください。
便器を増やしたり、家の雰囲気に合わせてトイレをリフォームすることも。
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