「だが、情熱はある」は予想以上に良くできていた - 滋賀発テレビと自分語り「まいてれ」

「これは友情物語ではないし、サクセスストーリーでもない。誰の役にも立たない物語。だが、情熱はある。」

というような感じのナレーションから始まるドラマ、「だが、情熱はある」。

オードリーの若林正恭と南海キャンディーズの山里亮太による二人舞台「たりないふたり」と二人の半生を実体験通りに描いたドラマです。

今は、成功者となっていますが、元は妬み嫉みの塊である二人の話ということで面白くないわけがないと思っていました。

演じるのはジャニーズの二人

始まる前から楽しみだったのですが、演じるのがキラキラした今をときめくジャニーズアイドルのため、期待値が少し下がっていました。

二人を見くびっていたこと、大変後悔しています。

まず、オードリー若林くんを演じるKing & Princeの高橋海人くんは見た目こそ高橋くんですが、立ち居振る舞いや仕草をよく研究されています。何より話し方が若林くんそのもので、吹き替えかと思わせるほどの再現性の高さ。見た目が違うのに一言発するだけで本人に見えるってすごいこと！

南海キョンディーズ山ちゃんを演ずるSixTONESの森本慎太郎くんに至っては、もう見た目が山ちゃんそのもので、嫌味なものの言い方や、行動パターンなど本人が乗り移ったかのような完成度。もう森本くんなのか山ちゃんを見ているのかわからなくて混乱するほどのレベル。

ここまでできる人たちとはつゆ知らず、申し訳ないと思っています。

主役の二人もさることながら、それを取り巻く人たちも再現性が高いのではないかと思われます。

若林くんの相方である春日くんを演じるのは最近は出演作が後を絶たない戸塚純貴くん。「親バカ青春白書」のネグロや「恋です！」では杉野遥亮くんの友達を、「ナイト・ドクター」では波瑠さんを振る婚約者を演じてらっしゃいました。

体格の違いはあれど彼の演技も素晴らしく、話し方や行動パターンなど春日さんを見事に表現されています。

若林くんの両親はバイプレイヤー光石研さんと池津祥子さん。

光石さんは数々のドラマや映画に引っ張りだこな方で、どこか不気味な父親を演じてらっしゃいます。

一方、池津祥子さんは宮藤官九郎さんや阿部サダヲさんが所属する劇団「大人計画」の役者さん。

最近では「エルピス」で政治記者を演じていたのが記憶に新しいですね。

やっと出てきた山ちゃんの相方しずちゃんを演じるのは、「3年A組ーみなさんは人質です」や「なつぞら」などに出演していた富田望生さん。

そのほかにも今後二人に関わっていく人たちを誰がどのように演じてくれるのかがとても気になります。

そのほかにも1シーンだけのちょい役で出演されている方もいらっしゃいますので是非チェックを。

このドラマを支えるナレーションを担当するのはアナウンサーの水卜麻美さん。

低いトーンで語られる彼女のナレーションがいい塩梅でドラマを味付けしてくれているように感じます。

邪魔にならず、いいタイミングで流れるナレーション。淡々と成り行きを説明するだけではなく、ちょっと皮肉っぽい感じがひねくれた二人を語るのにはよく合っています。

物語ではまだ芸人になったばかりで、何者でもない二人。これから幾多の苦労話が積み重ねられていくわけですが、それをどう描くのかが見どころ。

主役の二人をはじめとするキャストたちがどのように演じ、今後二人に関わっていくであろう人たちを誰が演じるのかも楽しみです。

なかなか深みのあるドラマ、「誰の参考にもならない」いえ、思うところがたくさん出てきています。最後まで情熱を持って見ていきたいと思います。